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院外活動 2018.10.16

「質の高い在宅看取りケア実践のためのELNEC-J2018」研修を終えて

ながお在宅クリニック     看護師 秋田綾子

この度、八月四日五日と「質の高い在宅看取りケア実践のためのELNEC-J2018」研修へと参加させていただきました。
ELNECとは、EndーOf-Life Nursing Education Consortiumの略語であり、「病や老いなどにより、人が人生を終える時期に必要とされるケア」における看護師への教育プログラムとなります。
複数のモジュールで構成された専門性の高い講義を受け、現在自らが関わっている「在宅看取り」について多角的に知識を得ることができました。そして、今回得た知識を実践・また看護師チーム内で共有したく思い、振り返りを兼ねて症例検討を含む勉強会を開催する時間をいただきました。

その際、全てのモジュールを網羅することは短い時間内では困難であるため、特に私自身が興味を持った「倫理問題」についてフォーカスを当てることとしました。
倫理問題は、スタッフ・家族や対象者といった関わる全ての人の価値観の違いから生じる問題です。
講義内では「業務内で感じるもやもや」と表現しており、その言葉を聞いた瞬間「日常の業務の中でもやもやしていることがある。そうかこれが倫理問題だったんだ」と気づかされました。
煩雑な業務の中で、その「もやもや」は往々にして流してしまいがちになっていましたが、
その「もやもや」はとても大切な信号だったのかもしれない・私以外の看護師も同じ気持ちを抱いているかもしれないと考え、改めてこの気持ちと向き合う機会を設けたいと思ったのです。

勉強会では、「倫理とは」の用語を整理し「倫理問題を考える」方法について資料(添付資料A)を用い提供し、その後実際の症例をグループワークで検討していく形としました。
取り上げた症例は、実際私自身が皮膚科にて診察同行し、関わりを持った患者様です。
仙骨部褥瘡からガス壊疽を起こし疼痛コントロール・感染制御のため臀部切開した、その一連の診察に同行していた私は、「褥瘡がこんなにひどくなってしまった」「そのまましんでしまうのではないか」「何かできたのではないか」と、強い不安やもやもやを抱えたからです。
後になってからですが、同じように関わった看護師へと話しを聞いてみると、私と同じようなもやもやを抱えておられることを知りました。

症例検討の際、実際「Jonsonの四分割」を用いて情報の整理、問題点の明確化を図っていきました。
その過程の中で、私は「この方の何も知らなかった」と気づきました。生活歴・人柄・価値観・死生観、本当に簡単なものかもしれませんが、好きな食べ物も思い当たらず、自分自身の視野の狭さ・情報収集の足りなさに改めて思い当たったのです。
また、情報を統合することで治療の目的がより明確となり、ただその創部の巨大さに圧倒されていた自分自身の視点が医療者としてはずれていたことに気づかされました。
症例検討の場にて、「もっと彼自身を知る、関わりを持つことが出来たらよかった」「切開にて疼痛コントロールは(自覚的な訴えがなかったという意味で)出来ていた」と振り返ることができました。
そうして、私自身のもやもやが晴れたように思いました。

そして、今回の勉強会に参加いただいた方より、「訪問看護は時間に追われ業務的になってしまいがちだが、一つ一つの行為・観察が大切なものだと気づけた」「深く関わりたいと思う気持ちの共有をする機会となった」「看護師として専門性のある関わりを持っていきたい」「現在の治療の意図を考える機会となった」との言葉を頂き、そのそれぞれが私自身抱いていた気持ちと同じであり、情報だけでなく理念も共有できたと思いました。

今回の研修参加・振り返りの勉強会開催といった機会を得、今後は長谷川看護師が率いておられる「エンドオブケア」のチームに参加をし、エンドオブライフケアにおける看護師としての知識・技術を実際に臨床で生かすとともに、チーム内で共有をし患者様へ寄り添うケア・より良い在宅看取りを実践していきたいと考えております。

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